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賀代:境界ですね。

ランディ:するようになってから、ようやく楽になった。

賀代:うちは今そのランディさんの置かれてる状況と逆な感じで、問題だった親父がいなくなって、残された兄弟三人と母親とのこの関係がまたむちゃくちゃっていうか、親父が残した遺産っていうか。苦労の遺産っていうか。

ランディ:誰が一番しんどそうなの?

賀代:今はですね、長男が。再婚したんですけど、暴力とかね。それも兄ちゃんと私との境界をぱっと引ければそこまで悩まなくていいんだけど、やっぱり境界もぐちゃぐちゃになってるし自分の事の様に落ち込むっていうか。

ランディ:落ち込むよねぇ。

賀代:そういう事あると。

ランディ:でも、切り離して、切り離そう切り離そうと思って意識的にしてるとだんだんと少しずつだけどできる様になる。うん。なんにもしなかった時より遥かにもう気持ちが切れてきたもん。うん。

賀代:周りの専門職の人とかに相談して、「そんなに家族困ってるんだったら相談に乗るよ」って皆が言ってくれるっていうのが一番なんか、あたしだけ1人で楽しくやってるよりも、家族皆も芋ずる式に救われていくっていう。

ランディ:そうだよね。

賀代:うん。そういうのが望みなんですよね。あたしのね。

ランディ:まだお母さんがいるからね。

賀代:うん。

ランディ:あたしも母親がまだ生きてたらこうすっきりもいかないかも。

賀代:うん。

ランディ:死んじゃったからさぁ。あの、父親がアル中なのも嫌だったけど、母親があのノイローゼになって半狂乱になって電話かけてきたりとか、「死ぬ死ぬ」って電話口で騒いだ事がほんっとうにつらかったよね。仕事中にさぁ、母親から電話かかってきて。そいでね、「けいこちゃんお母さんはもうだめぇ」とかなんとか言ってへぇぇぇとか泣いてるわけ。もう頭真っ白になっちゃって。なんかこう受話器をバーン!みたいな気分になる。

賀代:いろんな、過去からの悩みが全てその時にがってきますよね。

ランディ:なんかねぇ。なんでだろう。あれは嫌なもんだよね、やっぱりね。切れないよなぁ、ああやって電話かけて来たときにお母さんはお母さんの不幸、やっぱりアル中より難しかったかもしれない。うん。アル中は割りと自己完結してるから、アル中は基本的に切りやすいとこあるかもしれない。

賀代:うん。そう、自分で種まいて、自分で刈ってるから。

ランディ:そうそうそうそう。

賀代:自分で体悪くして死んじゃったから、あの人は幸せだったんだろうけど。

ランディ:そうそうそう思うでしょ?あははは。

賀代:周りはどんだけ迷惑したか(笑い)。

ランディ:ほんとだよね(笑い)。

賀代:吉田さんはなんかありますか?語ってください。家族の事でも、浦河の事でも。

吉めぐ:うん。家族ねぇ。何から言っていいかよくわかんないから聞いてます。だめなんだよねぇ。口開いたらこう、怒りそうで。

賀代:怒る?

ランディ:怒っていいよ。あたしこんなに今怒ってるのに2人で。一緒に怒ろう。

賀代:言いたい放題言おう。

里子:趣旨を変えて。

ランディ:趣旨を変えて。

里子:言いたい放題。

吉めぐ:割り切りができなくて。私も。泣いて電話かかってきたり、頑張って話して「わかった」って言って納得して電話切ったのに、突然小包が昨日も届いて。全然あたしの話を理解していないっていうのがよくわかる小包で。親らしいことをしたいらしくて、アプローチをかけてくるんだけど。その親らしい事が何かって聞いてみたんだけど、「親らしいって何ですか?」って。そしたら洋服を買ったり、お金を上げたり、悩みがあったら悩みを聞く事が親らしい事だって言われたんだけど。なんか・・。

賀代:誰言ったの?その親らしい事って。

吉めぐ:母さんが。電話で言って。

賀代:あ、母さんが。

吉めぐ:相談した人と意見が一致したから、あたしがどんなに嫌がっても親らしい事をしますっていう宣言みたいだったんだけど。
洋服を買ってもらいたいとか、お金が欲しいとか、相談に乗って欲しいとか、あたしが望んでるわけじゃないし、それをしてもらったら親らしいのかって言われたらそういうわけじゃないって事を一応言ったんだけど、伝わってなかったらしくて。
昨日もよくわかんない色んなものが来たんだけど。なんかうまく言えないんだけど。親は今忘れてて。今までの事を。病気で、分裂で幻聴が苦しくて記憶喪失みたいになってるらしく、今まで自分が何をしてきたか今は毎日幻聴と妄想と戦ってるらしいから覚えてないって言うんですよね。
でも、あたしはみんな覚えてて。そういう電話かかってくる度に泣き喚かれたりするのはみんな覚えてるんだけど、向こうは覚えてないから。ちょっとなんかそれが微妙にまだ割り切れなくて。ちょっとうまく言えないですね。うん。

賀代:割り切れないよね。よくわかんないけど。

吉めぐ:よくわかんないんだ。私も。

賀代:私もホントに割り切れない事が一杯あるわ。なんだかんだ言って自分が一番アルコール依存症に近づいてますからね。

ランディ:血統?私も最近ねぇ、若い頃はもうほとんどアル中だぐらいに飲んでたけど、飲まなくなったねぇ。

賀代:あぁ。必要なくなった?

ランディ:うーん。まぁ歳っちゅうのもあるけど。お母さんは服を送って来たの?

吉めぐ:うん。送ってきた。

ランディ:で、それ気に入った?全然?

吉めぐ:でも手紙には絶対気に入ると思いますっていう決定があって。

ランディ:はははは。すごい。絶対気に入ると思いますって書いてあんの?あはは。

里子:ははは。

吉めぐ:怒るどころか笑っちゃって、困ったなぁっと思って。とりあえず置いたままになってるんだけど。うん。

ランディ:困ったね。絶対気に入るってか?あははは。

吉めぐ:うん。で悩みも聞きたいんだって電話が掛かってきたんだけど、結局あたしが話す前に泣き出してあたしが母さんの悩みを聞いて電話を切ったんだけど。ずっとむかしからそんな感じだったから、しょっちゅう「もう死んでやる」とかそういう電話くるんだけど、後味がやっぱり悪くて、家にいられなくて児童相談所に引き取られて浦河紹介されて、やっと話聞いてもらえるようになったけど。まだ母さんはそうじゃなくて、あたしの事を小さいままだと思ってるから、あたしもまだ今をちゃんと生きれてないっていうか、ずっと気になってて。

ランディ:小さいまんまだと思ってんだよねぇ。

賀代:その割には頼ってくんだよね。

吉めぐ:うん。頼ってくる。

ランディ:都合いいね。ははは。

吉めぐ:笑。

賀代:笑。

ランディ:うちはまぁ、父親アル中だからいろんなことがあって、母親もちょっと父親とお兄ちゃんの間が険悪になってった時に間に挟まれてノイローゼな感じになって、それがちょうどめぐちゃんくらいの歳の頃なんであたしが。その頃に一度なんかの心理療法受けてさ。やっぱ自分でなんとかしたくってね。その自分の気持ちみたいなのを。そしたらその、なんだっけゲシュタルトセラピーとか言うの。知ってる?ゲシュタルト。

賀代:知らないです。

ランディ:それを受けたら、そのサイコセラピストの人があるイメージを思い浮かばさせるのね。それであたしと母親の関係にどうも問題があるっていうことを見抜いたらしくって、あたしにね、お母さんなんか大っ嫌いだって、お母さんなんか要らないって、お母さんなんてホント大っ嫌いだってね、大きな声で言えって言うのよ。であたしはホントにお母さんが大っ嫌いだったから、「言え」って言われた時にね、言おうとしたら言葉が出なくなっちゃって、よく覚えてるんだけど、お母さんなんて嫌いだって言おうとしたとたんにね、目の前に鉛色の壁がバーンって現れて、なんか声が出なくなっちゃったの。

賀代:ふーん。

ランディ:で、なんで言えないんだろうって思ったんだけど、これがあなたの心の壁だって言うのよ、そのセラピストは。あたしその時、なにか物凄くその人に対して腹が立って、なんでこの人あたしにこんなことをさせるんだって思って、自分で受けに来たくせに結構プンプン怒ってね、もう二度と行かないとかって、帰っちゃったんだけど。
あの時の壁っていうのはすごく今でも思い出すの。バーってね、目の前におっきな鉛色の壁が出てきて「お母さん嫌い」って言えなかったってね。でね、許せるようになったのはあたし、ながーいことやっぱりそれで苦しんでたんだけど、母親はかわいそうな人だからあたしは母親に対して怒りを持っちゃいけないっていうことをものすごく自分に言い聞かせてきた、子どもの頃から。
お父さんもアル中だしお兄ちゃんも暴力ふるってる、だからお母さんがどんなに大変か、あたしがわかってるからお母さんのことは絶対に怒っちゃだめだ、怒っちゃだめだ。お母さんに対して怒りを感じちゃいかんっていう事を自分に言い聞かせてきて、もう母親に対する怒りだけをものすごく閉じ込めてきたのね。怒れなかったの。どんなに腹が立っても、本当に怒りとして出すことの方にいつも罪悪感を感じて、母に怒りを感じると自分を責めてた。それがものすごくつらかったのよね。でもね、あたしがそのことに気づくのにだって30過ぎてから。

賀代:うーん。でもわかる、今の話わかるような気がする。

ランディ:もう、すっごく大変だった気づくまでに。お母さんに対して怒りを出す事にこんなに罪悪感を持って自分を責めていることになってるなんて。やっぱわかんなかったよ。若いとき、全然まるっきり。ただ生意気の壁ができて言えなっかたっていうだけ。

賀代:どうですか?

Y子:うーん。うちは母親の方がアル中でいつも救急車で運ばれるまで飲むんですよね。で、ほっとこうと思うんだけどこれが最後かもしれないと思ったら会うのが、なかなか気持ちが自分はリセットできないんですよね。死ぬかもしれないと思って毎回。

ランディ:心配だもんね?

Y子:ちょっとは心配なんですけど。

賀代:まだご健在で。ご健在なんですか?

Y子:まだ(苦笑)。

ランディ:アル中してます?

Y子:してます。

ランディ:まだ飲み続けて。

Y子:宗教となんか・・。

ランディ:宗教も?!

Y子:酔いながらお経を読んだりしてすごい怖いんですよね。

ランディ:笑。すごいそれは怖い。

Y子:なかなか頑丈なんですよね。

賀代:頑丈。

ランディ:あーあ。

Y子:そうだ。運ばれるけど死にはしない。

ランディ:そうだ。そうだ。アルコール飲み過ぎで運ばれるの?



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