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ランディ:どーんとどうぞ、どーんと。
賀代:相談に乗ってもらうつもりで。
ランディ:一番恋愛関係、得意なんですけど、でもそれ以外にでも。
賀代:今は結婚してらっしゃるんですか。
ランディ:結婚してるよ。
賀代:確か主婦?
ランディ:そう主婦だよ。
賀代:主婦って言うか、主婦じゃないけど。
ランディ:主婦だよ。
賀代:二人かなんかお子さんが。
ランディ:子ども一人。
賀代:一人ですか。はぁ。じゃ、今おうちは?
ランディ:おうちは今、夫と娘と夫の両親、88歳が二人いるの。
賀代:二人とも88歳?
ランディ:88、87。そいですぐ近所にアル中の私の父が住んでる。
賀代: お父さんアル中なんですか?
ランディ:アル中。すごい。
賀代:あぁ、うちと同じ。
ランディ:あたしが来る前の日もべろんべろんになってた。
賀代:あぁ。うちの親父は死んでくれましたけど。
ランディ:すでに!めでたく!(笑い)
賀代:でもやっぱりね、アル中の父を持ってると家族全体がもうぐっちゃぐちゃで、もう悩みの宝庫っていうか、あたしだけじゃなく、全て兄弟みんな問題児っていうか。
ランディ:で、うちの兄は死んじゃいましたよね。やっぱり。男同士特に大変だったみたい。
賀代:うん。
ランディ:あたしね、まだやっぱり女の子の方が逃げようがあるっていうところがあって。
賀代:逃げるっちゅうとどういう風に?
ランディ:結婚するとかよー。
賀代:あぁ。
ランディ:所詮はほら、男と女だから。ぷいってやってしまえば、なんとなく逃れられるとこあると思うけど。うちの兄は父にはもう男であることを否定されてましたから。
賀代:うんうん。
ランディ:お前みたいな働かない奴は男じゃないとか、人間じゃないとか、そういうことを、自分はすごい飲んでるくせに。でもね、うちの父ね、物凄く飲むんだけど、物凄く働くんですよ。
賀代:あぁうちも同じです。
ランディ:これがたちが悪くて、偉そうに飲むんですよ。俺の金だとかなんとか言って。
賀代:何言っても敵わないっていうのが。
ランディ:そう。それでうちの兄のことは結構ボコボコにね、子どものころからしてたので。
賀代:うちもそう。
ランディ:すっごいつらかったと思うけどね。それでだからもうお兄ちゃんもそんな風で、もう自殺ですよね。半分ね。で、死んじゃってその翌年にお母さんが死んじゃって。
だってね、お兄ちゃんが死んだときに家族全員がしゅんとしてるわけですよ。やっぱ兄は餓死するような死に方してるからね。それで、やっぱ一番ショック受けたのは年取った母親なのに、父はまぁ自分も苦しかったんだろうけど「お前の育て方が悪かった」とか言って責めたんですよ。
賀代:その傾向はうちも。
ランディ:なんっでも母親のせい。
賀代:そうそう。
ランディ:うん。お前の育て方が・・。
賀代:甘かったとか。
ランディ:甘やかしたからとか。なんかそういうこと言ってね。あたしあきれて原因はあんただよって思うんだけど。
でも、まぁそんな感じで責められてね母もね。本当に具合悪くなって死んじゃって。そいでさぁ、私と父が残された訳じゃないですか。で、あたしもう、ほんっとうに父の事嫌いだったから、もうみんな家族いなくなっちゃったしね、あの人だけだからもう金輪際親子の縁を切って、これでもう付き合わなくてもいいやって思ってたの。
でもなんかね、1人で酒飲んで暮らしてる父がなんか気になるんですよ。なんとなく。切れないわけ。心情的に。
賀代:うん。切れない。
ランディ:切れないんですよ。なんかね、なんか可哀想になっちゃうんですよね。
賀代:なっちゃう。
ランディ:うん。なんでだろうって思うんだけど。
賀代:でも、子どもの頃からすごい英才教育をされててあたしは。アル中の子として。
ランディ:ははは。
賀代:父がどんなにひどかろうと、父がどんな行いをして家族がどんなに迷惑をこうむっていようと、父を全員が愛するっていう。
ランディ:うわぁ、すごーい。
賀代:そういう英才教育を受けて。
ランディ:すごいね。
賀代:だからそのマインドコントロールを受けたまま、今でも父の事気になってますからね。今天国で酒飲んで楽しいだろうかとか。
ランディ:で結局ね、わざわざ離れて住んでてせいせいしてたのに、父に言っちゃうんですよ。そっちを引き上げてこっちに住んだらどうかと提案するんですよ。そしたらね、父は「嫌だ!俺はこの土地を離れん!」って言って。で、電話をばん!って切ったの。私は心底ほっとしたわけ。
あぁ良かった、来ないって言った。私は誘ったけど、向こうが来ないって言ったもんねぇって思ってたら、三日後に「家を売った。今から行く」って電話が掛かってきたの(笑)。そいで、「もう売っちゃったの?」って聞いたら、「もう売った」って言うから、大急ぎでさ住む家とか探してさ。で、今近所に住んでんだけどね。
賀代:今でも飲みっぱなしって感じですか?
ランディ:今でも飲みっぱなしなんだけどね。あの、なんかこうアル中の対処法を、川村先生と向谷地さんに教えてもらったんですよ。
賀代:えー。あたしも教えてください。
ランディ:うん。そいで、まずね、まぁ具体的にこう言われたわけじゃないんだけど、まずね、お父さんがそんなに酒を毎日浴びるように飲んでいても、あなたにどれくらいの迷惑がかかってますかって。
つまり、長年のアル中の父親との付き合いのなかでさ、もうただ飲むだけであたしは迷惑感を感じるんですよ。ただ酔っぱらっているだけで自分のことのように苦しいわけ。
父が社会の窓とか開けたまんまさぁ、酔ってふらついてその辺歩いたりとか、失禁したりとかしてるとこを例えばお店から電話が掛かってきて迎えに行ったりすることに、物凄くこう、なんて言うんだろう、怒りとそれからなんていうのかなぁ、同時に切ないっていうか悲しみっていうか、苦しみっていうか、なんかそういうことを感じてて、でね、もうなんとなくね、もう向谷地さんとか川村先生にいろいろ話をしてもらってるうちに、なぜ私が父親のやる事にこんなに自分のことのように腹が立ってしまうんだろうということを考え出してね。
要するにあたしはなんかどっかで自分だけ、その幸せになっちゃいけないみたいな罪悪感があるの。お兄ちゃんもお母さんも死んじゃったしね。それは父が不幸で、父がアル中だと自分は幸せじゃないみたいな、なんか変な図式のなかに生きてたの。うん。
なんだけどね、あたしも母も勝手に幸せになっていいし、あの人は勝手にアル中なんだと。で、あの人のアル中があたしの人生に与える影響って実はそんなになかったんですよね。もううち出ちゃってるしさぁ、ただ私がやだっと思ってるだけの話で。あの人がどんなに酔っ払ってても別にあたしお金払いに行くわけじゃないし、払いたくなきゃ払わない。お金のことであたしにあまり無心してきたりしないんですよ。自分で飲んで自分で酔っ払ってる人なのね。
ただ、しつこーくさ、何度も電話かけて来たりするわけ、酔うと。家の電話に数十回もさぁ、留守禄に電話が入ってたりするんだけど、そういうのもある時から出ないで切っちゃえるようになったんだよね。だってほらあの人、酔いが覚めると何も覚えてないから。リセットされちゃうから一旦。覚めた時点で。本人は毎日毎日リセットしてて気持ちよく生きてるのに、あたしだけが記憶が永遠とさぁ繋がってて、あたしの重さだけが継続して、あたしを具合悪くして行くのって、それってあたしの責任だなって思ったわけ。あの人がリセットしてるんだから、あたしもそこに関わらなきゃいいんだと、こう気分的に。
なんかね、なるべくそういう風に考えようとしてったんですよ。他人の不幸は私の不幸じゃないって。うん。で私の幸せはあの人の不幸じゃない。私の幸せは私の幸せ。あの人のアル中はあの人のアル中っていうような、なんかこう心理的なその部分の線引きを。
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