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—今村先生は自然に公私混同をしていますね。例えば、ワーカーの場合は公私混同はするなと教科書で習うのだそうですけど、医学部でも公私混同はいけないと教わるのですか?

今村:それは話題にもならない、タブーの領域なんじゃないですか(笑)。例えば、人格障がいの人と接していてどんな要求にも応えている人の話しを聞いたことがあります。家まで送ってと言われれば車で送っていったり・・。

生活と患者さんとの距離というのは、都会に住んでいる人が教科書を書けば都会では接点というのはあり得ないから話題にはならないし、田舎はスタンダードではないからそれは各自が勝手に考えなさいという感じかな。

地域医療をする医者の場合、公私混同するしかないですよね。さっき診察した人が、自分の家の水道を修理しに来てくれる人だったりすることが普通にあるわけじゃないですか。社会で生きるということは、そういうことじゃないかなと思います。都会では周りに住んでいる人がどういう人なのか知らない、干渉しないということが普通になってますけど、社会で生きるということはそうじゃないと思うんですよね。

ですから、べてるのメンバーと普段接することは、公私混同というよりも地域で生きるということはこういうことなのだと思います。今は時間外だから何もしないよと言っても許されないと思うし(笑)。

—僕はべてるはこのままアンダーグラウンドを行き続けると思っています。精神障がいの当事者は社会のなかで周辺化されてきた歴史がありますが、むしろ最近は社会の外部であるということ(社会の中心的価値に包摂されないこと)の歴史的使命みたいなものを僕は勝手に感じていて、精神医療の現場においても決してメジャーになることはないだろうなと思っているのですがどうですか?

今村:これがメジャーになったら日本中が困る気がしませんか?(笑)べてるの様な試みが全国に広がって、当事者がもっと地域に出て行った時というのは、周りの健常者の病気に対する考え方が変わったときなんじゃないですかね。

余談ですが、べてるのやり方が特別なんじゃなくて、今までの精神医療が変だったんじゃないですかね。この世界って不思議なことがいっぱいあるんですよ。今までの精神医療がいかに変かということをまずやったらどうでしょう(笑)。私は、今の浦河の形が最高だとは思ってないし、これが続いていくことがいいとも思ってないんですよ。医療というものはこれからもその時代に合わせて変化していかなければならないと思っています。



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