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向谷地:ということなんですけどね。

田口:ねぇ。これみなさん聞いてさぁ、ほらおかしいでしょう?笑っちゃうでしょう?でもこれが自分の家族とか、べてるの家にいてね、それでいろいろ自分の親とか兄弟が「ぱーっ」とかパニックになって家とかに火つけてたりとかしたらホント笑えないですよ。

下野:もう笑うしかないですね。

田口:ねぇ、それでね。私はだから笑えない家族として20年くらい生きてきたんですよね。もうなんていうんでしょう。あの笑えない時の苦しさはすごくよく分かるから。ここを笑う風に持っていったべてるっていうのはやっぱりすごいなっと思う。

向谷地:ホントですね。もう笑うしかない。

田口:ははは。だからそう、この底つき?もう笑うしかないっていう。

向谷地:本当にね、笑うしかない。なんで?っていうなんで?フライパンが焦げたら消防署なの?っていうね。
あの時はね、ほんとにこうオウムが来たって言ってね。オウムが来て火つけたんじゃないかってね。で、119番して、それから何日か後ですよ、本当に小火がでたのは。私も青くなりましたよ。

田口:青くなるよね。

向谷地:でもほんとにそんなことばっかりなんですよ。まぁそれも最近は少しは落ち着きましたけど。
うちは社会復帰じゃなくて社会進出だって言ってね、とにかくみんなで町に出ようなんて言ってやってきたんですけど、もういろいろなことが起きました。ほんとに。
ですからね、皆さん浦河の町行ったらね、べてるは大分評判悪いですから。あまり期待して行かないようにしてくださいね。でも私たちはね、それでいいって町の人たちに言ったら怒られますけども、人が生きていくってこういうことだよなっていう、それこそ信じ方っていうか諦め方っていうか、まぁやってきた。で、28年たったっていう感じですね。

■ 計画的〜それで順調〜

田口:うーん。私、ようやく最近諦めついてきましたね。あの自分のアル中の親父とか、うん。本当にべてるのお陰で。諦めるしかないんだこれはって思う。

向谷地:そうですね。でその諦め方のポイントっていうのは普段こういう仕事してますから、先程あの日産自動車のゴーンさんが、「計画とはその通りやってこそ意味がある」なんてさっきちらっと見て。

田口:はい。

向谷地:なんかポスターがでてましたよね。

田口:見てたよね。

向谷地:あっそうだ、私は計画的に物事を進めてきたのだってね、本を見て思ったんですけど、計画的だったなぁって。

田口:向谷地さんが?

向谷地:えぇ。あぁ私は結構計画的に生きてきたんだなって。

田口:ほー!もうちょっと詳しく教えてください。

向谷地:というのは、あのその計画的っていうのは、よく浦河では「順調」っていう言葉をつかうんです、「それで順調」っていう言葉。

田口:はい。みんなね。

向谷地:それで順調っていう言葉を使うっていうのは、すべてこう見方を変えれば、あぁこれは計画した通りだねっていう意味ですよね。

田口:そうだね、順調だからね。

向谷地:そうなんですよ。だから私はけっこう計画的に物事を進めてきたんだって。

田口:でも、いつ計画してたんですか?

向谷地:えっとあれですね、私たちのこう計画っていうのは、例えば下野君が退院すると。したら、下野君退院してどんな苦労が予測される?って。そしたらまぁこんな事が起きるかな、あんな事も起きるかな、ほとんど良い事何も起きないんですよね。そうですね。

下野:はい。




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『べてるの家から吹く風』(いのちのことば社)
出版記念講演

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